最近の出来事(状況報告、イギリスの盗聴スキャンダル)

最近のロンドンは晴れの合間に雨がざっと降ったりと移ろいやすい空模様で、夏になっていよいよイギリスらしい気候になってきたのかな、という感じです。
またちょっと旅行に行ったり、大学進学関係の手続き、連日のチェス&囲碁レッスン(毎晩3時間ぐらい本気で戦うのでとても疲れます…)などでばたばたしていましたが、少しこの連休で落ち着きましたので、近況でも書こうかと。

まずは状況報告的に、良かったことを簡単に。

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おかげさまで、来年の進学先が決定しました。
(ご心配くださった方々、ありがとうございました)

いままで通っていた大学で修士課程に進学して、9月から一年間通うことになります。
専門は開発経済学、南アジア地域が主な研究対象になるコースです。
インドを主なターゲットとしつつ、いわゆるBRICs諸国の経済・社会状況を分析するとともに、日本の持続的な経済成長のためにこれら各国とどのようにつきあっていくべきかを見ていきたいと思っています。
学校が始まったら、そういう内容もブログに書いていきたいですね(昨年は授業に着いていくので精一杯で全然ブログ更新できなかったけど、今年は果たして…)。

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次いで旅行ですが、イングランド南西部のコーンウォール地方を追加しました。


イングランドの西端、Land's Endというところが印象深かったですね…


絶景なのはもちろんですが、その絶景を自由に散策できるようなPublic Path(散策用小径)が整備されていてありがたかったです。
イギリスではこうしたPublic Pathが国中に張り巡らされていて、自然散策が身近なものになっているそうです。

(Public Pathについてのご参考)



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あとは、久々にニュースでも。
イギリス国内では、もっぱら盗聴疑惑のニュースで持ちきりです。
エジプト民主化運動の際にご紹介したGuardian紙のLiveUpdateサイトが、今回もバリバリと活躍しています。

大きなニュースなので日本でも報道されていると思いますが、有名な日曜紙(日曜のみ発行される新聞)であるNews of the Worldが会社ぐるみで電話盗聴などの違法な取材行為を行っていて、その結果政府の元報道関係高官(元同紙社員)や同紙の執行役員などが逮捕されている、と言うもの(のはず)です。
さらに疑惑は、キャメロン首相と同紙及びそのバックにあるメディアグループ(ニューズ・コーポレーション)との関係や、同紙関係者が警察組織にも入り込んでいたこと、前労働党政権下でも疑惑が指摘されていながら進捗がなかったことによる警察への不信など、大きく広がる様相を呈しています。

ただ、日々イギリスの新聞や雑誌を見ていて日本と比較して考えると、日本でも盗聴まではいかないにしろ、記者クラブ制度などによりマスコミと政府(役所?)の距離の近さが既にイギリス・世界での(ジャーナリズムとしての)許容範囲を越えているように感じますので、見えないだけで実際には実質的に同様のことが起きているものと思いますが…

(記者クラブについての基礎的な知識)

とはいえ、このニュースを見て一つ思ったのは、日本のマスコミはいまいちだとよく言われますが、他の国も大概だということです。
日本について書かれている文章を読むと、日本だけがダメな国であるかのように書かれているものをよく見かけますが、外国に住んでみると他の国もダメなところがたくさんあるし、所詮は人類皆兄弟だなあと感じることが多いですので、あまり日本ばかり卑下しても仕方ないと最近は思えてきています。

逆に、過度に日本の状況を危機的に捉えることで状況が悪化する(ポピュリズムや社会不安など)ことにもなりかねないなあ、というのが、外からいまの日本を見ての(無責任で恐縮ですが)正直な感想です。
とはいえ、たまに両親とテレビ電話などする度にいまいち明るくない彼らの表情を見ると、ロンドンにいて日本の生の空気を感じられない状況が多少もどかしくもあるこの頃です。

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次回は、最近読んでいる本について気になったことを書きたいと思っています。
イギリスの統治機構についてです。