先立つものは適正な労働時間

人間,何かに追われていると発信ができなくなってしまうもののようですね。私もここ一年あまり,会社の中でもとても忙しい部署に配属されていたので,全くブログに触れることができずに過ごしてしまいました。以前の記事で,日本人は残業に追われるあまり多…

日本のリベラル勢力よ,大人になれ

最近のニュースで,経産省の敷地内にある反原発活動家のテントが不法占拠を行っているとして,経産省が訴訟を起こしたというものがありました。私もこの付近を仕事で通ることがままあり,その際いつも,ここの占拠は法律的にはどうなっているのかなあ,と考…

チェスを始めたい

今日は東日本大震災から2年の日でしたね。私も職場で黙祷しました。当時イギリスにいて直接体験しなかった自分でも、セレモニーの厳粛さをテレビ越しでも感じられましたし、その厳粛さでは終戦の日しか他に匹敵するものを思い出すことができず、そういう意…

尖閣諸島問題の幕引きは? フォークランドから学ぶ

昨年7月に帰国して以来、最も大きなインパクトがあったニュースの一つは、尖閣諸島のいわゆる「国有化」に反応して中国政府が連日領海を侵犯し、ついには飛行機まで上空を飛ばして来るようになったことでした。こういう国際的な衝突は、冷戦期にはともかく…

マスクが怖い

日本での久々のお正月ということで、この初七日はすべてお休みを会社からいただき、のんびりと過ごさせていただきました。当然初詣にも行きました。結果は大吉、すべてがうまくいくそうです。これにあやかって、今年も昨年以上に楽しい年にしたいものです。 …

そして再開

「新しいワインは新しい革袋に入れる」なんて格好いいことを言ったつもりで一旦休止した本ブログですが、2013年の元旦を機に再会しようと思います。 - 7月に帰国して以来、新しい住居や職場に慣れるのが大変だったり、友人知人との再会(=飲み会)に追…

幕引き

2年近くの留学生活で考えたことを綴ってきたこのブログですが、考えた結果一旦終わらせることにしました。 その理由としては、日本に戻るに当たって気持ちに一旦区切りを付けたかったことと、もし何かを引き続きブログの形で書くにしても、新たな土俵でまた…

公務員の賃金を上げてデフレを脱却しよう?

日本経済が陥っているというデフレの問題については、まさに諸説乱立していて、ほんとのところどうなのかはよくわからない状態ですよね…。日銀がもっと貨幣を供給することが不可欠という意見や、規制緩和して競争を活発にすれば良いという説、そもそもデフレ…

帰国後の戸惑いを予想する−「#一時帰国あるある」

先日、こちらに住んでいる日本人の知人から、「一時帰国あるある」というTogetterがおもしろいから見てみたら、と紹介されました。これは、海外に住んでいる日本人が日本に一時帰国する際に感じた日本の素晴らしさや生活上の違和感について、思いのままにつ…

正しい答えが必ずある、という幻想

経済学をこの2年間少しかじってみて、やっと気づかされたことがあります。 それは、世の中の事象は複雑すぎて答えなんてない、ということです。 - たとえば、以前にこのブログでも記事にしたTPPの話にしても、賛成派も反対派もロジックの通った説明やデータ…

試験が終わり、帰国が近づく

久々の更新となってしまいました、大変ご無沙汰しています。 最後に更新してから、旅行に宿題、大学の試験と立て続けにタスクが詰まってしまい、しばらくブログにかかわる時間が取れずにいました。(コメントを頂いた方々も、お返事できてなくてすみません)…

BBCが伝えた被災地のいま

もうすぐ東日本大震災から1年が経とうとしています。 当初は日本のニュースをネット経由で見ることができたり、こちらでも頻繁に特集をしていたのでそれなりに情報を集めることが出来ていましたが、だんだんと英国メディアの関心も薄れ(Fukushima関連は引き…

独立スコットランドの通貨はポンドかユーロか

今日のGuardian紙で、こんな記事が出ていたので読んでみました。 Can Scotland be independent and keep sterling? | News | theguardian.com これまでも何度かツイッターなどで触れてきたように、いまイギリスではスコットランドの独立を巡った議論が激しさ…

骨董市場で見つけた「軍票」

皆さんは「軍票」というものをご存じでしょうか?戦争時に占領地での物資調達などに充てるため、現地で政府の名義で発行する紙幣のことで、日本も日清・日露戦争や第2次大戦などにおいて各地で軍が様々な種類の軍票を発行していたそうです。下記リンクは日…

そういえば日本はストレス社会だったなあ

なんだかばたばたして、ブログをしっかりと書く時間を取りにくい感じです。しばらくはいつもより短めな記事が多くなるかもしれませんが、おつきあいいただけると嬉しいです。 (Twitterでは引き続き、ブログよりこまめにつぶやいていきます) 最近は日本の事…

ロンドンが寒すぎて困る

さて、題名のとおり、本当に寒すぎて困っているのです。 妻も風邪をひき、友人の中でも何人か風邪で苦しんでいる人がいるし、道は凍って危ないし、雪が溶けて汚いし、家の中は寒いのに集合住宅なので暖房のレベルを調節出来ないし、と…ちなみにうちの周りは…

英国での男女平等の進み具合は?

先日サッチャー首相の映画の記事を書きましたが、そのとき以来何となくイギリスでの男女平等政策の進み具合が気になっているので、ちょっと調べて見ました。 まずは感覚的な話で言いますと、かれこれもう1年半も英国に滞在していますが、日常で生活している…

イギリスで楽に体力をつけたい(いまはゴルフ)

私ごとですが先日誕生日を迎えまして、いよいよ大台が見えてくる年齢になってきました。 そうして気になり出したのが、体力が落ちたということです。こちらに来て1年半、最初にクリケットをしていた以外はまともな運動もせず、残業もなく、家や図書館で本を…

映画「The Iron Lady」を見てきた

大変遅くなりましたが、新年明けましておめでとうございます。この年末年始は大学の宿題に追われる日々で…内容の理解が浅くて締め切り前に焦ることがないようにするためにも、小学校から言われ続けていたことですが、日々の予習復習がやはり大事だと痛感しま…

イギリスの労働時間は羨ましい限り

人間は、実際に体験したことや直接目にしたことでないと、信じたり想像したり、受け入れたりすることが難しいとよく言われますが、自分のことを振り返ってもまさにそうだなあと思っています。 ちょっとニュアンスが違うかもしれませんが、「賢者は歴史に学び…

Twitterに驚く:情報はどこへ行った?

最近の驚きと言えば、Twitterです。iPadを購入したのに伴ってちょっとした気分で始めてみたのですが、正直その情報量の多さに圧倒されています。 自分はそれほどつぶやくことも無いので、気になったニュースなどをメモ的に一日に数件つぶやいているだけで、…

モスク見学で思ったこと:イスラム教は全然怖くない

先日、ロンドンにあるモスクで一般公開が行われ、せっかくの機会ということで行ってみることにしました。中を写真撮影することはためらわれたので写真は全然無いのですが、その中が意外と親しみやすい空間だったのが印象的でした。 (1枚目:モスク正面、2…

自国に誇りを持つということ

どうも日本人は謙遜をする人種のようで、自分もその例に漏れず、このブログでもついつい日本の悪いところとイギリスの良いところを比べた文章を多く書いてしまうのですが、実際には人一倍日本を愛している自負を持っておりまして、しかもこちらで暮らしてま…

イギリスの政党に見る、既存政党が果たすべき役割とは

先週末に大阪のダブル選挙があって、その結果「既存政党の存在意義」が問われているようなニュースがちらほらと見えているのが、何となく気になっています。 というのも、確かにいまの民主党・自民党共にちょっと頼りないところはあるでしょうが、だからとい…

空気を読まない国で暮らして

こちらの大学で驚くことといえば、その事務手続きの適当さには悪い意味であきれることが多いですが、なんといっても学生が(空気を読まずに)質問・発言を活発に行うことです。その頻度たるや、日本の大学ではおよそ考えられないレベルです。 例えば、講師が…

ロンドンの秋

最近ロンドンもすっかり秋らしくなりまして、というかそろそろ冬の気配が来ても可笑しくない時期でもあるのですが、このぐらいの時期が私は一番好きです。風に吹かれて枯れ葉がガサガサと立てる音を聞きながら街を歩くのが好きですね。 冬のロンドンは寒くて…

ヨーロッパの中のドイツ、アジアの中の日本

最近テレビばかり見ていて良くないのですが、イギリスでは主要局であるBBC(1〜4)、ITV、Channel4、Channel5の他にも、これらの主要局が提供する他のチャンネルやその他の小さなチャンネルがいくつもあって、無料で見ることができます。ただ、その中身は…

政治家と官僚、イギリスではどちらが偉いのか:テレビドラマ「Yes Minister」

イギリスでとても有名なコメディドラマのひとつに、1980年代に放送された「Yes Minister」というものがあります。 BBC - Comedy - Yes Minister <概要> ジャーナリストから政界入りし、長年の野党暮らしを経てついにDepartment of Administration(11/16修…

TPPについて考える (3・終)外交・国際関係について

私がマイペースで記事を書いているうちにいつの間にか、野田総理がTPP交渉への参加を決断して後は発表を待つばかり、という情報が流れているようですが(苦笑)、懲りずに今回もTPPについて書きたいと思います。おそらく今回で最後です。 これまでは経済の方…

TPPについて考えてみる (2)基礎的な経済学で考える(考察編)

(昨日の記事の続きです)【2.現在の日本の状況を踏まえた考察】 前回の記事で簡単に説明した考え方を基にして、実際に日本が置かれている状況下においてどのような影響をTPPがもたらして、どの程度のメリットがあるかを考えてみます。①TPPによる貿易障壁…